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・逐語録とは?活用方法
・書き起こしとは?—種類・目的・やり方
目次
1. 文字起こし(テープ起こし)とは?基本の定義と種類
「文字起こし」とは、音声データ(録音された会議、インタビュー、講演、動画など)を聞き取り、その内容をテキストデータに変換する作業全体を指します。別名「テープ起こし」とも呼ばれ、ビジネス、学術研究、メディア制作など、多岐にわたる分野で重要な記録手段として活用されています。
1-1. 文字起こしとは?—「文字に起こす」「文字で起こす」行為の定義
そもそも、「文字起こしとは」何かというと、それは単に音声を文字に置き換えるだけでなく、記録の目的と再現度に応じて、様々な形式が使い分けられる専門的な作業です。
- 文字に起こす: 音声情報を全て拾い上げ、記録を作成する行為を指す、最も一般的な表現です。
- 文字で起こす: デジタルデータだけでなく、紙やデータとして視覚化・記録化することを強調する表現です。
要するに、この作業の目的は、耳で聞く情報を目で見える情報に変換し、情報の共有や分析を容易にすることにあります。
2. 文字起こしの主要な3つの種類と素起こしとは
文字起こしは、どこまで忠実に音声を再現するかというケバ取り(不要な要素の削除)の度合いによって、主に3つの種類に分類されます。
2-1. 素起こし(そおこし)とは?—完全な逐語記録
「素起こしとは」、音声データを一言一句そのまま、忠実にテキスト化する手法です。
- 特徴:
- 話者の言い間違い、重複表現、口癖(「えーと」「あのー」)、相槌(「うん」「はい」)、沈黙の長さなど、全てを記録します。
- そのため、読み物としては不自然な文章になりがちですが、発言のニュアンスや心理状態を分析する質的研究やカウンセリング記録において不可欠な記録形式です。
- したがって、「逐語録」を作成する際には、この素起こしが基本となります。
2-2. ケバ取り(整文なし)
素起こしの要素から、意味を成さない不要な要素(ケバ)のみを取り除く手法です。
- 取り除く要素: 口癖、相槌、言い間違い、短い沈黙など。
- 残す要素: 助詞の間違いなど、意味に影響を与える可能性のある微妙な言い回しはあえて残します。
- 目的: 素起こしほどの忠実さは不要で、話の概要を把握したいが、発言者の個性や勢いを多少残したい場合に適しています。
2-3. 整文(けいぶん)—読みやすい文章に修正
ケバ取りを行った上で、さらに文章を修正・整理し、読み物として完成度の高い文章にする手法です。
- 修正点: 文法的に不完全な文を補完し、助詞や語尾を修正し、句読点を適切に加えます。
- 目的: 主に「議事録」や、インタビュー記事、講演録、あるいはブログ記事などに使用されます。
- 注意点: 一方で、整文によって話者の意図とは異なる解釈が生じるリスクもあるため、事実確認が重要です。
3. 動画の文字起こしとYouTubeでの活用
近年、動画の文字起こしの需要が急増しています。特に、「YouTube文字起こし」や「ユーチューブ文字起こし」は、動画コンテンツを最大限に活用するために不可欠なプロセスとなっています。
3-1. YouTubeや動画の文字起こしの目的
動画を文字起こしする目的は、多岐にわたります。
- SEO(検索エンジン最適化)対策: 動画の内容を検索エンジンに理解させるための最重要施策です。YouTubeは動画内の音声内容を直接的に把握しにくいため、概要欄や字幕にテキストを入れることで、検索流入を増やします。
- アクセシビリティ(字幕): 聴覚障害者や、音が出せない環境で見ているユーザーのために字幕を提供し、視聴者の幅を広げます。
- コンテンツの再利用: さらに、文字起こししたテキストは、動画の内容を基にしたブログ記事やSNS投稿など、二次利用の元データとして活用できます。
- 速読: すべての動画を見る時間がないユーザーが、テキストを読み込むことで内容を効率的に把握できます。
3-2. 動画の文字起こしの「やり方」
動画の文字起こし やり方は、主に以下の2つの方法に分けられます。
- 手動(プロへの依頼): 最も正確な文字起こしが可能です。専門用語や話者の声が重なっている場合でも、目的(素起こし、整文など)に応じて最適な形式で納品されます。
- 自動(AIツール): 後述の自動文字起こしツールを利用する方法です。しかし、誤認識や句読点のミスが多く、必ず人による修正作業が必要となります。
4. 音声自動文字起こしツールの現状とメリット・デメリット
「音声 自動 文字 起こし」技術は、AI(人工知能)とLLM(大規模言語モデル)の進化により急速に発展しています。
4-1. 自動文字起こしの仕組みとメリット
AIによる文字起こしは、ASR(Automatic Speech Recognition/自動音声認識)技術に基づいており、音声のパターンを学習し、テキストに変換します。
- メリット:
- 速さ: 録音時間とほぼ同じか、それ以下の時間でテキスト化が完了します。
- コスト: ツールやアプリを利用すれば、基本的に人件費がかからず、安価に利用できます。
4-2. 自動文字起こしのデメリットと限界
一方で、現時点ではすべての自動文字起こしが万能ではありません。
- 誤認識の多さ: 特に、複数人の話者がいる場合、専門用語、音質の悪いデータ、早口な発言などでは多くの誤認識が発生します。
- 話者分離の限界: 誰が発言しているか(話者分離)の精度が低く、したがって、後の編集や分析に多くの手間がかかることがあります。
- ケバ取り・整文の不可: 現状では、文章のニュアンスや文脈を理解し、自然な整文を行うことは難しく、結局のところ人による校正が必須となります。
5. プロの文字起こし代行サービスへの相談
文字起こしは、単に音声を文字に変換するだけでなく、その後の分析や活用を円滑にするためのデータ加工のプロセスです。
会議やインタビューの重要な情報を記録する際には、正確性と納期の確実性が求められます。
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